「イヤイヤ期」を代表とした、赤ちゃんの情緒の発達に伴う様々な悩み・・・
その中の1つとして、「やっと少し手が離れたかな?」という時期に起きる
赤ちゃんに戻ってしまう現象、いわゆる「赤ちゃん返り」と呼ばれる振る舞いがあります。
「あの姿にもう一度、会える」
と考えれば、嬉しいように思えるものですが・・・
実際には、赤ちゃんだった時の”手を焼いた”部分だけ戻ってしまうことが多いようです。
幼児期特有の悩みに関しては、「典型的なもの」が共有される一方で
その1つ1つの状況というのは、お子様それぞれ異なるものになります。
こと赤ちゃん返りに関して、
世のお母さんはどんなことに悩んでいるのか?
一体どんなことが起きるのか?
その時どんな対応をするべきなのか?
これから心配している、また苦労の真っ最中のご家庭もあることでしょう。
目次
赤ちゃんに戻ってしまう症状の内容と始める時期
赤ちゃん返り
と一言で言っても、その様子・振る舞いには様々なものがあります。
典型的なものとしては、
- 頻繁に抱っこをねだる
- 母乳を欲しがる
- 寝付かなくなる
- 駄々をこねて見せる
- 終わったはずの指しゃぶりを始める
- 本当はできることも一人ではできないふりをする
といった様子が、顕著な例と言えます。
イヤイヤ期が治まってきたと思ったら・・・という時期から見られることが多いようです。
また<反抗>した後に「寂しくなる」といった、幼児特有の情緒不安定さも伴います。
特に、弟・妹が生まれた時期に現れる(一緒に戻ってしまう)例が顕著です。
「羨ましいな」
「自分のものだったのに」
といった、”嫉妬”のようなものが原因であることは考えられ
その理由や内容に関しては、それほど不思議なものでもありません。
特に「授乳」や「ずっと抱っこ」といった、自分がしてもらっていた様子を目撃した際に
”スイッチ”が入ることが多く、まさに「ちくしょー」といった感情が生じるのでしょう。
5・6歳から始まってしまうことも珍しくなく、
”何歳に注意”とは、一概に言えないものでもあります。
実は「しっかりしていた子」ほどなりやすいかも?
赤ちゃん返りは、「甘えん坊」の子がなりやすいイメージがありますが
逆にしっかりしていた子ほど、注意が必要です。
そもそも、供が本当にしっかりしているわけはなく、どこか無理をしていることもあり
その<我慢>が大きいほどに、爆発してしまった際の症状が”重い”ものになりがちです。
上記したように、本来であればすでに<卒業>したことも
「もう一度経験したい」と、急に”できなく”なってしまうことが増えます。
しかし、本人も「もう違うよな」ということを理解しているものです。
その際に、「もうお兄ちゃんでしょ」となだめたりすることが一般的と思われますが
場合によっては、それが逆効果となってしまう場合もあります。
「たまにはしてあげる」といったことも大切であり、
それがどの程度かのさじ加減は、子供の「反応」から判断する必要があります。
言うまでもなく、「完全放置」は絶対にNGであり
- 理解させる
- 理解してあげる
といったことの、バランスが大切です。
赤ちゃん返りをした子供が、頻繁に求めるものに抱っこがありますが
この抱っこを”しかたなく”ではなく、時にはママさんからしてあげることも秘訣の1つです。
- 自分が求めるから、してくれる
- 求めるのに、してくれない
といった状況ではなく、「不安」や「甘え」を「安心感」に変えてあげましょう。
「愛情不足」だと起きやすくなる?
赤ちゃん返りは、「愛情不足」の際に起きやすいと言われます。
確かに、一理あることは否定できません。
一方、より正しい考え方としては「愛情をかけていないからなる」ではなく
結果的に、「(子供が)感じられない」ことによって起きやすいと言えます。
「新しい子にかかりきり」といった状況で、顕著に見られることから
「自分をもっと見て欲しい」という気持ちが関係していることは、容易に想像できます。
そのため、下の子を優先してしまった結果として
愛情不足を感じてしまい、結果として起きると言えないわけではありません。
決してそんなことはない、と思っていても
結局は受け取る側の気持ちが大切であり、注意することは必要です。
また、
- おねしょの頻度
- 異常な夜泣き
といったことが見られる(おさまっていたのに)という場合には
その子への接し方を、より慎重なものにして欲しいと思います。

「マザコン」になってしまう危険性は?
赤ちゃん返りの状態を否定せず、全て受け入れてしまうことで
「いわゆるマザコン」になってしまうのでは?と心配する方もいるようです。
しかしながら、そう単純に言えるものではありません。
もちろん、”あまりに状況を受け入れてしまう”ことによって
赤ちゃん返りの振る舞いが、長引いてしまうことは十分に考えられます。
赤ちゃん返りを卒業できず、慢性的になってしまうことで
マザコンと呼ばれる状態になってしまう可能性は、否定できないことも確かです。
しかし、”必ず”ではありません。
あくまで、「その子に対する匙加減」によって変わります。
こういったことからも、赤ちゃん返りに関しては
「いつまで続くんだろう・・・」と不安になる方よりも
「かわいいから、しょうがない」という方の方が危険でなのです。
”いつまで”という懸念よりも、スムーズに<着地>させることがより重要になります。
いずれにしても、赤ちゃん返りしたお子様への対応としては
- 全ては受け入れない
- 甘える前に甘えさせてあげる
といったことを常に意識するべきであり、
その際に大切なのは、「その子にとってのバランス」を早めに判断することなのです。