「寝る子は育つ」というのは、もしかしたら若いお母さんはご存じない格言かもしれません。
とは言え、すでに”当たり前のこと”として認識されていることでもあり
大人に比べて、子供の睡眠時間が長いことは常識的なものです。
そして、だからこそ
「この子全然寝ないけど、大丈夫かしら?」
と、寝つきの悪い・睡眠時間が短い子の場合には心配になってしまうはずです。
何より、子育てしていくうえで”寝てくれない”というのは困る面も多いです。
寝ている間に家事を進めたい、という方は多いはずです。
何よりも、子供の成長にとって”いいわけがない”ことです。
あまり「大丈夫だよ」と言えることではありません。
肉体的な成長はもちろん、学力に対してもプラスになるわけがないのです。
まず最初に、睡眠とは「調整時間」です。
子供に関しては、「いろいろな成長」という大きな目的がありますが
その他にも、
- 脳の休息
- 記憶の定着
- ストレスの緩和
といった、主に「脳」のリカバリーのための習慣です。
また「横なっている」という過程で、筋肉・関節の負担を軽減し
疲弊した分を回復させることで、極端にパフォーマンスが落ちるのを防ぎます。
年齢に関わらず、睡眠不足が大きく影響するデメリットとして
「次の日のパフォーマンスが落ちる」というものがあり、それは子供も同じです。
普段は大人よりも元気に見える子供であっても、
- ダラダラしている
- 覇気がない
- 癇癪を起しやすい
- 体調が悪くなりやすい
こういった弊害が見える場合には、「睡眠の内容」に問題があるかもしれません。
目次
なぜしっかり寝てくれないのか?
子供の寝つきが悪い原因として、疑うべきものに
「睡眠のリズムが壊れてしまった」というものがあります。
人間の睡眠習慣というのは、生まれてから「夜泣き」といった過程を経て
一定のリズムができる・作って、できあがるものになります。
なにしろ、基本的な睡眠時間の合計は幼いほどに長いものです。
また幼稚園に入る前、小学校に入る前には、問題のなかったケースも多いはずです。
もちろん、生まれつき「あまり寝たがらない」という個性もあるはずですが
現代社会において、最も疑われる基本的な原因は「リズムの乱れ」と言えます。
睡眠の習慣が壊れてしまう要因
生まれてから、一度も生活リズムというものが作れていない・・・
というのは論外ですが、
そういったケースも含めて、より幼い頃に作ったはずの睡眠習慣が壊れてしまう
その理由は、無限に存在するものでもあります。
- 遅い時間帯にお気に入りの番組が放送されている(起きている理由がある)
- ブルーライト(パソコン・スマホ)をさわり続けている
「スマホを子守代わりに使っている」といったことが、問題視されることも多いですが
本当の問題点は”子守の質”ででなく、”睡眠の質”にも悪影響を与えてしまうことです。
そもそも子供は興奮しやすく、「アドレナリン(興奮物質)」が出ている状態は
寝る前のコンディションを考えた際には、相応しいものではないことは明白です。
幼いからこそ、睡眠前の安静な時間は意識するべきものです。
「寝る前の読書(紙の本)」といったことを、ぜひ習慣化して欲しいと思います。
睡眠時間の理想的な目安
そもそも、睡眠時間というのは極めて個人的なものです。
時間関しては、1時間半(90分)のサイクルが理想的と言われているようですが
大切なのは”質”であり、”脳がしっかり休めたか”という結果が重要です。
昨今では、「ショートスリーパー」といった
1日2~4時間程度の睡眠で十分な体質の人もいるようですが
十分なのか・足りないのか、ということは極めて個人的なものです。
何より、それは自分自身でしか実感することができません。
ある程度の時間は確保すべきですが、それによる睡眠の質は計れないものです。
また、そういった睡眠時間が必要ない「早熟」のお子様もいるかもしれませんが
身体の成長を考えた場合に、やはりいいこととは言えません。
「子供はやはり、8時間以上寝るべき」ということに、異論はないはずです。

睡眠とは「生活リズム」の要である
適切な睡眠習慣を作るためには、
「睡眠時間とは習慣である」
という前提を踏まえて、子供の寝つき・睡眠時間を再構築していく必要があります。
<寝る>というのは、1日の生活リズムの集大成・フィナーレです。
1日全体を通して、”そこに持っていく”という考え方が必要です。
特に<寝つき>に関する問題では、就寝間際に問題があるかのように思われがちですが
睡眠の問題は「朝起きてから、布団に入るまで」の、全ての過程を見直す必要があります。
そして「質の高い睡眠」を作るために必要なものとは
- 運動(体を動かす)
- 勉強(頭を動かす)
この2つの、非常にありきたりな要素になります。
片方だけでなく、両方共必要です。
どちらが欠けていることで、「イマイチ眠くならない」という現象が起きやすくなります。
「眠くなる」
という現象は、
「寝る必要がある」
と体が判断していることによるものであり、冒頭で紹介したように
心身ともにリカバリーが必要な状態を、作り出してあげることが必要です。
「眠くなったら眠るもの」なのです。
また、
- 空腹
- ストレス
これらも睡眠の妨げになるものであり、
- しっかり食べさせる
- 悩みがないか気にかけてあげる
といったことは、睡眠にとっても非常に重要なことなのです。
特に、「最近急に寝つきが悪くなった」という場合には
何らかの悩みやストレスを抱えてしまった、と考えられるため早急なケアが必要です。
子供の寝つきをよくして理想的な睡眠をとらせる秘訣
理想的な睡眠習慣を作るためにできることとしては、
- 22時までに消灯する
- テレビの視聴時間を制限させる
- 早めにお風呂に入る(体温が上がるため寝る直前は望ましくない)
様々なものが考えられますが、場合によっては「ショック療法」も必要です。
「昼寝」をさせない
昼寝というのは、メリットの大きなものとして捉えられることも多いですが
それによって「夜寝る」という、一般的なリズムが壊れているとすれば本末転倒です。
昼寝の習慣があり夜眠れなくなる
というケースは、非常に”ありがちな”要因です。
その場合、お昼寝を制限させることも必要です。
また同じように考えられることに、「早起きさせる」というものもあります。
寝つきが悪い子というのは、「寝起きが悪い」という傾向が見られ
早く起きることで早く眠くなる、という習慣を作ることも有意義と考えられます。

徹底的に疲れさせる
よく遊ばせ、よく学ばせる
何より大切なことですが、寝つきが悪いのであればより徹底的にさせてみましょう。
「遊び疲れて寝る」というのは、最も子供らしい適切なスタイルです。
そして、”疲れさせる”のは肉体だけに限りません。
”脳みそ”を疲れさせるためには。<お勉強>が一番効果的であり有意義です。
ただし、幼いほど夜遅くまで勉強するのは控えるべきです。
「なんとなく苦痛だな」と感じさせるのは、あらゆる面でマイナスになります。
また、学習というのは可能な限り早い時間にすべきものです。
・・・というのは、建前になります。
上記したように、勉強で脳を疲れさせるのは頭が良くなって眠くなるためには一石二鳥です。
これも1つのショック療法として、試してみる価値はあります。
とは言え、最も相応しい程度である<寝る前の読書>がまずはおすすめです。
リズムは早めに作るべき
「睡眠障害」と呼ばれる不調は、「現代病」と言えるものでもあります。
暗くなったら寝て、明るくなったら起きる、という時代もあったのです。
しかしながら、現代文明はそれを許しません。
だからこそ、幼いうちから”正しい睡眠術”を身に付けておくべきでなのです。
大人になったら・・・
- 仕事
- 人間関係
様々な「睡眠の質を落とす要素」が、どうしても増えてきます。
避けられない、仕方がないものでもあります。
それでも、
- ストレスを感じにくい人
- どこでも寝れる人
といった人は存在します。
睡眠がうまい人は、基本的にパフォーマンスに”ブレ”がありません。
お父さんお母さんの中には、「羨ましい」と思う方もいるはずです。
「図太い」と言われることもあるかもしれませんが、
日々快調に生きるためには、非常に有利な体質と言えます。
そういった人というのは、基本的に「子供の頃からよく寝る」という特徴があります。
よく寝る人間は、優れている人間なのです。
そして、優れている人間は幼い時期から作られます。