幼い時期に身につけなければ”取り返しがつかない”能力いうのは様々なものがありますが
こと「記憶力」に関しても、しっかり身に着けておきたい一生を通じて必要となる能力です。
学習能力のベースは、間違いなく記憶力になります。
「読み方」や「公式」といったものも、
”覚えなければ”あらゆる知識を発展させることはできません。
数学にしても、主なテスト内容というのは<公式を覚える>ことが前提であり
その時の問題によって、覚えた公式に数字を変えていく作業です。
また「覚えがいい」「学習能力が高い」人間であれば
とりあえず、学校内・会社内で一定の評価を受けることができます。
「才能が関係ない能力」こそが記憶力です。
失礼な言い方かもしれませんが・・・
誰であっても・どんなお子さんでも、身に着けることが可能な能力であり
「凡人が天才に勝つための能力」こそが、”記憶力”なのです。
目次
まずは「単語」をたくさん覚えることから
まず前提として、
「言葉を覚え始めてから記憶は定着する」
ということが分かっています。
そのため、「知育学習に必要なレベルの記憶力」というのは
ある程度<おしゃべり>が上手になってからでなければ、身に着ることができません。
脳内の「言語中枢」と「記憶」を司る部分は、密接にリンクしているのです。
そして、「おしゃべりが上手になる過程」こそが大切な時期であり
この時期を”濃く”経ていくことが、「強い記憶力」を身に着けるための基礎になります。
<思い出す>ことの繰り返しで記憶は定着していく
2歳を過ぎた頃になると、
「あれ何?」
「あれは?」
ということを、指をさしたりすることで表現することが劇的に増えてきます。
ここから徐々に「言葉(名詞)」を覚えていくことで
記憶力を作る役割を果たす、脳内の神経細胞の働きが活発になります。
また、「ものの名前を覚えること」や「呼ぶことができること」は喜びとなります。
それによって起きる
「昨日覚えたこと」を<今日引き出す(使ってみる)>
という反復は、最も記憶力を鍛える作業になります。
年齢に関係なく、<思い出す>ことは記憶力を鍛えるための最も効率的な方法です。
「反復」することによって、「定着」していくのです。
この2つのフローは、それぞれが違う意味を持ちます。
「思い出させる」ことは「記憶を引き出す」ことであり、
「新しいもの(こと)」を「覚える」作業です。
そして「反復」することで「いつでも使える」ようになります。
「幼児期にしか鍛えることができないこと」
というのは、前者の「引き出す能力」であり
そのため「新しいこと」を優先して、どんどん覚えさせていくことが大切です。
また、この過程で「言葉が遅い」といったことを心配するお母さんもいますが
心配するべきケースと、心配ないケースがあります。
「寡黙」といった特徴は、幼い時期であっても出てくるものであり
「しゃべらなくてもしっかり把握している」ことも多いです。
「黙々と記憶するタイプ」の子もいるはずです。
ただし、やはり<口に出す>ことで、記憶が定着することもあり
「歌を歌いながら」等、楽しんで言葉を覚える工夫をしていきましょう。
「記憶能力が高い」ということは”頭がいい”ということ
「頭がいい」と言われるような人間は、例外なく記憶力がいいはずです。
「覚えていることが多い」ということは、”引き出し”が多いことであり
引き出しが多いことによって、その分手段を多く持つことができます。
ここでは、初期の記憶力の大切さと鍛え方を解説しましたが
この後に「読書」といったものによって、更に幅広い・深い知識を得ることになり
それらを体に<刻む>ことで、更に多くの知識と経験を身に着けていくはずです。
そしてその際にも、結局は「初期の記憶力」が非常に影響してきます。
情報をかみ砕いて<吸収>する過程には、今まで身に着けてきた能力が反映されるためです。
幼児期に記憶力を鍛えておくメリット
記憶をする力である「いわゆる記憶力」には、「ピーク」が存在します。
一定の年齢(個人差があります)に差し掛かった後には、
基本的には劣化するものであり、あとは”いかに衰えさせないか”でしか対処できません。
すでに「身に覚え始めた」お母さんも、多いのではないでしょうか?
ピークを越えた後に落ちていく、ということは避けられないことであり
そのため、「ピーク時の高さ」というものが非常に重要と言えます。
これはあくまで、日常的なレベルのお話になります。
それ以上に、記憶力とは「幼児教育の肝」と言ってもいいものであり
幼いうちに、必ず身に着けておきたいものと言えるのです。
「一生を通しての学習能力」に、大きく影響してしまうためです。
記憶力とは、全ての学習能力の基礎中の基礎であり「絶対必要条件」です。
極端な例で言えば、「りんごはapple」これも記憶力がベースにあります。
そんな当たり前のこと、と思う方もいるかもしれませんが
「因数分解の公式」といったことも、その延長線上にあります。
「数学」には、記憶力が大きく関わるのです。
「フレミングの法則」はどうでしょうか?
記憶力がなければ、「理科」もできません。
記憶力とは、全ての教科を支えています。
屁理屈ではなく、決してなめてはいけません。
記憶する力は、学校だけでなく社会でも役立ちます。
そして記憶力とは、”鍛えることができる”ものになります。
そしてその際には、言うまでもなく「幼児期における向上」が最も重要です。
3~5歳までの過ごし方、それ以降であれば
10歳くらいまでは、何とか効率的に鍛えることができます。
そして、この”効率的に”ということがポイントです。
体が成長するうちは、脳細胞に関しても成長していくと言われますが
身長の伸びが、徐々に鈍化していくことと同じく
記憶力の「容量」や「刻む能力」に関しても、鈍化していきます。
そして身長に比べても、記憶力というのはより顕著です。
”記憶すること”の基本的な方法としては
- 新しいことを覚える
- 繰り返す
そして「もう十分頭に刻んだ」となったら、更に新しい情報を頭に入力していきます。
これはあくまで、覚えたいものを覚えるための仕組みであり
「テスト勉強のための記憶」というものです。
ある意味で、これは「ゴール」なのです。
この過程を効率的に行うことができる「覚えがいい頭」を作ることが、
<記憶力を鍛える>ということの、”本当の意味”になります。
最初はとにかく「ボキャブラリー」を増やす
記憶力は「言語能力」と非常に密接に関わっています。
賢い人間というのは、「語彙(ボキャブラリー)」が多いものです。
幼いうちは、「とりあえず言葉を覚える」ことが記憶力への刺激になります。
そしてその際に、最も効率的な手段が<読書>になります。
読書には「心をはぐくむ」効果もあるため、ぜひ習慣にして欲しいものです。

そして、徐々に「感想」を求めていきましょう。
「読書をさせて、感想を述べさせる」
なんだか、ちょっと嫌な感じがする方も多いかもしれませんが
これは「幼児期にできる最大のアウトプット」と言えるものです。
まず、頭の中で「物語を思い出させる」という過程をこなします。
次に、内容を「整理」することで「起承転結」がつながり、
その物語の”意味”を、自分で探すことになります。
これだけで、十分に脳みそが揉み解されます。
そして、さらに「お母さん(お父さん)に伝える」ために
「言葉」を<組み合わせる>という作業をすることになります。
当然、最初は言葉足らず、うまく言葉を組み合わせることができませんが
「どうしてそう思ったの?」と、どんどん展開していきましょう。
<覚えようとして覚える>ことができるように
ここまでは、ある意味”助走”に過ぎません。
語彙というのは、生きていれば段々と増えていくものでもあります。
早い時期に身に着けることに意味があることは確かです。
ここからは、いよいよ<頭に刻む作業>を身につけさせます。
当たり前の話ですが、覚えようと思わないと、記憶はできません。
「覚える」その後に「いつでも思い出せる」ことが記憶力です。
その能力を鍛えるためには、やはり”覚えようとして”覚えることが欠かせません。
電車や動物が好きな子というは、図鑑等を読むことで
自然と種類等を覚えていきますが、これは「自然な記録力のトレーニング」です。
それが興味あるものが対象であれば、非常に理想的と言えます。
幼い頃から「百科事典」を読むことが趣味だったという人は
やはり、というべきか、当然のように非常に頭のよい傾向があります。
そして最終的には、”たとえ興味がなくても”覚えることができるようするのです。
いずれ取り返しのつかない”結果の差”となって現れる
記憶力は、一瞬で・劇的に向上するものではありません。
当然のことならが、毎日の積み重ねによって積み上げるものであり
そして、それは大人になってから”大きな差”となって現れます。
「覚えが悪い人」は、仕事面でもマイナスであることは言うまでもありません。
そして、全てではありませんが「覚え」は記憶力の影響が大きいものです。
「覚えが速い」ことは、どの場面でも評価されます。
幼い頃に鍛えた記憶力は、生きるうえで非常に大きな武器となります。