「子供を生んで育てる」という素晴らしいライフイベントには、相応のお金がかかります。
家庭の経済状況である、いわゆる「家計」に関しては
各家庭によって事情は異り、他の家の”本当の家計”を知る機会は少ないものです。
また現代では「お金がない」ことが理由で、出産をためらうカップルが増えるという
非常に残念な事態が、かなり進行してきていることも事実です。
いわゆる「少子化」の原因は、「カップルの経済状況にある」とも言えます。
「人の親」となった方には言うまでもありませんが、
”生んでからが大変”であり、授乳や夜泣きといった物理的なお世話以上に
「お世話をするためのお金」という、現実的な問題に頭を悩ませている家庭は多いです。
初めての赤ちゃん、2人目の赤ちゃん、3人目の赤ちゃん
それが何人目だとしても、家族が増えることは幸せなことです。
この子のためなら何でもできる、全力で守っていこうと考えるはずです。
しかし、「愛」だけでは生きていけないのが世の中です。
赤ちゃんはかわいい
子育ては楽しい
家族に囲まれているだけで幸せ
だけでは、生きていくことはできません。
人生において、最も現実的な問題がお金です。
そしてこのお金の問題は、家族が増えれば増えるほど大きくなってきます。
ここでは「節約」といった”どうすべきか”ではなく、まずは現実をとらえ
更に「その先のこと」の準備を、合理的に進めるための方法を考えます。
目次
「なんとかなる」では済ませてはいけないこと
お金と子育てに関する問題の、何がそんなにつらいのかと言うと
<耐える>ということでは、根本的な解決ができないことです。
夜泣きといった問題は、期間がある程度決まっており
トラブルを抱えていたとしても、いずれは解決するものでもあります。
「そんな時期もあったね」と、笑える日がくるものです。
特に「イヤイヤ気」等は大変であった分、精神的な成長が嬉しいものです。
しかしながら、お金にはそれがありません。
むしろ、大きくなるごとに<どんどん膨らむ>ものであり
「最近のオムツ代」と、「今後の学費」は比べものになりません。
”なんとかなる”という感覚では、いずれ非常に厳しい現実が襲ってくることになります。
「ちゃんと育てたい」
そう思うからこそ、出産に対し慎重になるカップルが増えているのです。
すでにママ・パパとなったカップルもに関しても、
しっかりとした教育を受けさせてあげて、自分を夢を持って育って欲しいはずです。
そして、そのための「習い事」や「塾」といったこともまたお金がかかるものです。
やはり子供の希望であれば「やらせてあげたい」ものです。
塾に行かなくても、勉強ができる子はいるかもしれませんが
やはり「行っている子」の方が、リードするものであることは現実です。
「もし行ってれば、もっと良くなっていた」
ということも、ある意味では「後悔」につながる要素でもあります。

<ひとりだち>までにはいくらかかるの?
教育資金に関しては、様々なデータがあり
そのパターンも様々な要素(公立・私立・塾)によって、劇的に変わってきますが・・・
中学校卒業までの金額(小学校・中学校は公立)で、
おおよそ、「1,500~2,000万円」と言われています。
この中には「食費」や「衣服」や「娯楽」といった、様々な要素が含まれていますが
子供1人を15年間育てるためには、
一般的なサラリーマンの年収の、4~5倍かかるということです。
更に、この後に高校に入学すると”学費だけ”で
公立高校で年間40万円、私立高校で年間100万円かかり・・・
更に更に大学の4年間の学費は、
国公立で240万円
私立文型で400万円
私立理系で500万円
私立医学部で最低2,000万円であり・・・
1人の子供を大学卒業まで育てるには、
「だいたい3,000万円」の出費を覚悟しなければなりません。
このうち純粋な「学費(学校・塾)」に関しては、
1000万~1500万と考えられますが、それでも大金であることには変わりありません。
そして恐ろしいことに、日本においては賃金は減少傾向にありますが
教育機関における学費は、年々上昇傾向にあります。
本来であれば、子共が生まれる前・妊娠する前から真剣に考えなければならないことですが
何となく、「何とかなるだろう」と考えていたご家庭もあるかもしれません。
「何とかなる」では、なんとかなりません。
育児に”いくら使えるか”によって、その子供の将来も変わってしまう可能性があります。
まだ幼い今からでも、真剣に考えていきましょう。
ただし、早い時期ら遠い未来に備えることは確かに大切ですが
「差し迫った未来」の方が、現実的に考えられると思います。
ここでは、少し先の「近未来」を深堀りしていきます。
出産~入園前にかかるお金
出産後から幼稚園に預けるまでは、「おうちの中」で<ママが育てる>ということが
一般的な常識となっており、ある程度じゃ当然のことでもあります。
親世代と同居していて、おじいちゃん・おばあちゃんも一緒に育児に参加できる場合と
ママが1人で育てる場合で、育児に関する負担は大きな違いがりますが
ことお金に関しては、それほど差がなく大まかな要素はほぼ決まっています。
幼稚園に入園するまでに、赤ちゃんにかかるお金というのは
- おむつ代
- 食費(ミルク・離乳食)
- 医療費(検診・予防接種)
- 衣服費
以上が大まかなものであり、「買わない」という選択はできないものです。
節約をしているとしても、それほど差がないものと言える要素です。
というのも、
基本的にこれらの赤ちゃん用品は、「日本製」のものが非常に優秀であり
近所のスーパーや薬局で気楽に手に入るため、こだわる要素は少ないものです。
乳幼児期の子供にかかる生活費の内訳
一般的な赤ちゃん1人につき、1月で必ずかかる費用として
- オムツ代・・・6000円前後
- ミルク代・・・8000円前後
以上が平均と考えられますが、「完母」と呼ばれる完全母乳育児か
粉ミルクを多めに利用するかによっても、わずかな違いが出ます。
哺乳瓶や消毒キットに関しても必要であり、スキンケア商品もプラスされ・・
「しょくじ」と「うんち」だけでも、「1万5千~2万円前後」かかる場合もあります。
また光熱費に関しては、
赤ちゃんが1人増えると「5千円前後」がプラスされる
と想定しましょう。
内閣府のデータでは、
0歳~1歳の間の1年間での出費は平均で93万円となっています。月で計算すると、1月で平均7万8千円となります。
1~2歳・2~3歳となるにつれ、毎年10万円ずつ増えていく傾向があります。
オムツが取れたり、離乳食・普通職に切り替えたりなど
増えるものや減るものがありますが、総額では増えます。
少し金額が多い気がしますが、これには「保険」や「積み立て」も含まれており
また、急な出費も「よくあること」となります。
また出産に関わる入院に対し、「出産一時金」などの制度に関しても
各自治体でしっかり調べて、有効に利用しましょう。
乳児期では、平均が取りづらいことも多いですが
月々必ずかかるお金に加え、医療費なども念頭に置きましょう。
そして、生まれてから一定の期間、家庭内で育児・成長した後
多くの赤ちゃんが小学校に入学する前に、幼稚園などの「保育機関」に預けられます。
そこで小学校に上がる前の「マナー」や、人間関係等の基礎を養うことになります。
しかし義務教育ではないこれらのは、公立の小学校や中学校よりもお金がかかる場合もあり
また、人数の制限で預けることのできない「待機児童」の問題もあります。
小学校入学までにかかるお金
幼稚園~小学校の時期にかかるお金というのは、主に「教育費」として考えます。
幼稚園(保育園)の月謝に加え、何らかの「習い事」を始めてみるのもこの時期に多いです。
幼稚園・保育園に関しては、
- 4歳になる年「年少組」から入園する子供
- 5歳になる年「年中組」から入園する子供
2つのパターンが主になりますが、3年間通うことを考えた場合
- 公立・・・約70万円(3年計)
- 私立・・・約150万円(3年計)
と、2倍の開きがあります。
1年間では、「約25~50万円」ということになります。
遠足代や給食・弁当費も含まれるため、それぞれの地域・機関によって差がありますが
月々、多くても5万円ということが想定できます。
そして、これ以外にも
- 家庭での食費
- 衣服代
- 生活用品
- 医療費
- レジャー費
これらを考慮すると、
1ヶ月平均で「養育費」として「合計8万円」
という数字が平均となります。(公立・私立含)
教育費に大きく影響する「習い事」
以上は、「どうしてもかかってしまう」お金になりますが
習い事や塾といった、ある種の「贅沢費」も加わることになるのがこの頃です。
飲み込みの能力の観点から考えると、「早ければ早いほどいい」ということは確かであり
- ピアノ(音楽)
- スケート(各種スポーツ)
これらの分野で一流を目指すことを考慮した場合、
幼稚園の時期から、始める家庭が多いことは事実です。
もちろん子供の意思で興味のある分野を、伸ばしてあげることも必要であり
「無限の可能性」を試し、育てることができるのもこの時期です。

一番現実的に学費に備える方法
計画を立てましょう!
収入を増やしましょう!
節約しましょう!
投資しましょう!
お金に対するアドバイスは、巷に溢れていますが
どれを採用するかは家庭それぞれであり、これらには”正解”はないと言えます。
唯一確かなことと言えるのは、「貯金はした方がいいよ」ということであり
そして、その際「感覚」に注意して欲しいと思います。
「余ったら貯めよう」
というのは、「貯められない心がけ」であることは広く知られています。
そのため、やはり「学資保険」といった「積み立て」が有効と言えます。
ある意味で「強制徴収」でもあり、「そのお金はないもの」と考えて日々の生活を送り
いざという時に、「我慢させなくてすむ」ことを考えましょう。
”保険”とは様々な種類があるものであり、一概に「これがいい!」ということはできません。
比較してみて、自分達に相応しいものを選びましょう。
「なんとかなる」では「なんとかならない」ものです。
「時代が悪い」と言えばそれまでですが、できることはやっておくべきであり
やはり「後悔してほしくない」ということは、全ての親御さんに共通の気持ちだと思います。
「貯めるべきなのは分かっている」
でも、
「貯められない」
そういったご家庭は、必ず入っておくべきなのです。