いわゆる「精神年齢」というのは、基本的には<経験>によって年をとるものです。
そのため、ある程度は「実際の年齢」に比例するものでもあります。
また、広い範囲で見れば「早く大人になる子」と
「いつまでも大人になれない子」に分かれるものでもあります。
しかし、そうは言ってもそれが我が子なら気になるものです。
”年相応”に、精神的な面も育ってくることが一般的と見えます。
中には、「いつまでも赤ちゃん」といった極端なケースも見られ
「このままで大丈夫かしら?」と、心配しているお母さんは珍しくはありません。
幼い時期の情緒的な成長というのは、人格(性格)の形成に非常に重要であり
そして、子供の精神的な成長とは「持って生まれたもの」に加えて
当然のことならがら、<育て方>が大きな影響を与えることになります。
目次
「心の成長」が”自然と”進まない場合に注意が必要
そもそも、「生まれつき癇癪を起しやすい」というような
いわゆる「疳の虫(かんのむし)が強い」という子は、全く珍しいものではありません。
基本的には、心の成長と共に”落ち着いてくる”ことが多いものでもあります。
ある意味で「個性」でもあり、全て丸変わりするということは少ないですが
- 気が短く、すぐにモノにあたる
- 思い通りにいかないと、癇癪を起こす
- ママがいないと、何もできない
といった状態のまま、成人を迎える人間は稀です。
”少し残る”ことはあるものの、多くが”自然といい方向に”いくものです。
しかしながら、稀に「そのままいっちゃった」ということもないわけではありません。
そして、そういったケースというのは
- 甘やかし過ぎ
- 厳しくし過ぎ
という傾向が見られることが、多いことも事実です。
もちろん、全てではありません。
「どうすればいいかわからないから」という事情もあると思います。
また、”甘え”と点で考えた際には「甘やかしているから」という場合だけでなく
「甘えることができなかったから」という事情が、影響を与えることもあります。
これは、ある意味で厳しく押さえつけ過ぎたことによる”反動”とも言えます。
「甘ったれだから」
「我慢ができないから」
といって上から押さえつけてしまうのは、逆効果になってしまうことも多いのです。
癇癪や駄々がヒドイ場合には、それが「一過性」のものなのかに加えて、
「多動症」といった傾向が見られるのか?という点も、慎重に見極める必要です。
これは今後、「集中力」といった能力にも関わってくるものでもあります。
いずれにしても、幼い時期のケアは重要なものとなるため
心配し過ぎもよくありませんが、様々な角度から”可能性”を考えておく必要があります。

学習態度や知能への影響は「ある」と言える
「子供の性格の傾向」が、「学習能力」に対してどのような影響を与えるのか?
これらは非常に、「関連性が高い」と言えます。
それは「自信」と「人格の構成」は、非常に密接な関係を持っているためです。
極端に気が短いこと、癇癪持ちの傾向が見られる場合のリスクとして
勉強や運動に関わらず、<諦める(投げ出す)>といったことが挙げられます。
「できないからやだ」「できないものはやりたくない」というやつです。
これでは集中力の成長が遅くなり・・・ますます周りに後れをとり・・・
「勝てないからやらない」という、悪循環から抜け出せません。
この問題をクリアするためには・・・
まずは、なんとしても”クリアそのもの”をさせてあげることが必要です。
<少しずつ乗り越える>という経験は、「情緒の成長」にとっても重要な意味を持ちます。
「できることをこなせる」からスタートさせてみる
とにかく、いくら簡単な・レベルの低い(ように見える)ことでも
その子が「確実にできる」ということから、やらせてみましょう。
低いレベルからで、かまいません。
「やらない」よりは、マシです。
できるようになったら、ほんのちょっとずつ、徐々にレベルを上げていけばいいのです。
これは基本的な学習の力を高める方法でもあり、
「勉強が嫌にならない」ために、必要なプロセスでもあります。
何より「できなかったことが、できるようになる」という経験を積ませることができます。
「自信」と「精神年齢」は比例する
精神年齢が育たない
ということは、最悪の場合には「1人では何もできない」という事態を招きます。
周りがお膳立てしなければ前に進めず、周りが助け続けている限りは永遠にそのままです。
そしてその状態を脱出するためには、何より”自信”が必要なのです。
子供というのは「承認欲求」の塊であり、満たしてあげる必要があります。
もちろん、「ありのまま」の存在を認めてあげることも必要ですが
「1人で頑張らないと(結果を残さないと)認めてもらうことができない」
ということも、幼い時期に・より幼いからこそ、教えるべきなのです。
その際に、「新しくできたこと」を認めてあげるサイクルがあることで
- 徐々に問題をクリアする能力
- クリアできるまで頑張る力
- それに伴った集中力の向上
これらを伴って、自信を与えることができるはずです。

幼い時期ほど「現実」とのギャップについて行けないもの
”手が付けられない”レベルの癇癪持ちの子供は、それほど珍しくはないものですが
我が子がそのような気質を持っていた場合、”手を焼いて”いることと思います。
どのような対応が望ましいのか?日々悩み、考えているママさんも
基本的には、2歳未満の「まだ赤ちゃん」と言える子供が振舞う
<駄々>のようなものは、まだまだ癇癪とは言えないものでもあります。
しかしながら、その時期の駄々にどのように対応したかどうかで
その後の癇癪の質や、性格・情緒の傾向も変わってくるものになります。
子供(赤ちゃん)が癇癪を起してしまう理由としては、
- 自分に対する癇癪
- 周りに対する癇癪
の2通りがあります。
「自分に対する癇癪」とは・・・
自分の思っている通りに自分でできない
(例)積み木やお絵かき等
といったものであり、「理想と現実とのギャップ」が生まれることから起こります。
自分ができないことを「できると疑わず」
にもかかわらず、
「結果的にできない」ということが理解できない
そして、それを”受け入れることができない”ことで爆発します。
自分でコントロールできない「現実への反抗(怒り)」でもあります。
これは大人の場合には、「抑うつ」や「自暴自棄」といった症状で現れるものと似ており
子供の頃癇癪持ちであった場合に、この傾向が強いことが分かっています。
基本的な対応としては、
「できなくてもいいんだよ・いいじゃん」
くらいの対応の後に、
「他のできる事」をさせてあげましょう。
「前にできたあれ見せてよ」といった、対応が相応しいと考えられます。
この段階においては、自分の心と現状との整理がつかず
本人も理由が分からずに、癇癪を起していること多いものです。
情緒が育つ過程においては避けられないものであり、適度な反応も必要です。
「社会的な不満」を持てるようになったということでもある
一方で、「周りに対する癇癪」とは・・・
「自分が認識されていない」ことに納得できない
<(例)家事の途中に話を聞かなかった等>
という社会的なものが含まれ、「承認欲求」も根底にあります。
「もっと見てよ」という怒りでもあり、この際に無視したりすることによって・・・
極端な例では、
- 自己評価が低くなる
- 周りの目を引くためにとんでもない行動をとる
対人関係で問題を抱えてしまう恐れもあります。
対応が大変過ぎて、”こっちが泣きたくなる”といった時もあると思いますが
<無視>することが、何よりもやってはいけないことです。
何度もしつこくアピールされても、気が済むまで反応してあげましょう。
基本的にスグに忘れてしまい、いつの間にか収まることがほとんどです。
これは、ある意味で成長過程でもあります。
簡単にできる幼児の癇癪への対処法
癇癪を起している「場所(環境)」を変えることは、意外にも大きな効果があります。
家であれば、”退屈であることを表現できない苛立ち”といったものが
原因となっている場合もあるため、そんな時はお散歩に出かけたりしてみましょう。
「お出かけ先の癇癪」は、初めての場所を怖がっていることによる反応とも考えられます。
一度場所を移動して、落ち着かせることも大切です。
ちなみに・・・
「車」や「電車」といった、「大きなもの動いている様子」を見ることで
落ち着く子供が多いことが分かっており、ぜひ試してみて欲しいと思います。
また弟や妹が出来たとたんに、癇癪が改善することも珍しくないため
ぬいぐるみなどを与え、「お世話をさせる」ことも効果があります。
どれだけ酷い癇癪も、「成長過程の一過性」であることも多く
基本的には、「幼い時期特有の甘え」がその根底にあります。
どの程度甘えさせるかの判断は、なかなか難しいものですが
「人前での癇癪」は許さずに、2人きりになった際にしっかり話を聞いてあげるなど
ある程度のルールを作ることが、この段階を乗り越えるために本来は必要過程になります。
特に1歳未満の赤ちゃんの気質というのは生まれ持ったものであり
喋れない・理解できない時点での矯正はできず、また”なおそう”と思ってはいけません。
受け入れて、ベストな接し方をするしかありません。
しかしながら・・・
これから成長していき・・・「乳幼児」ではなく「児童」になった時に、
「ちゃんと治まっていてくれるのか?」と、不安を感じている方は少なくないはずです。
基本的には一時的なものが多いが
繰り返しになりますが、幼児期の癇癪は一過性であることがほとんです。
神経質に対応してしまうことが、むしろマイナスを招くこともにもなりかねません。
「気付いたらおさまっていた」ということが、多いものであることを心得ましょう。
しかしながら、成長してからも駄々をこねる”癖”が付いていたり
「自分の思い通りにならないと泣き喚く」とような気質のままでは、少し注意が必要です。
2歳前後の「喋り始め」の時期に、一番情緒的な要素が固まってきやすい状態です。
つまり、その時期の接し方が非常に重要です。
- 決して怒らない
- 放ってかない
- 目を見て、手をつないで、ゆっくり優しく説得する
- 何が気に入らないか聞いてみる(理解しなくても)
- 暴れた結果を見せる(散乱しているおもちゃ等)
- 一緒に片付ける
- 暴れていたら、抱くのでなく、寝ることを提案する
- 一緒に布団に入ることを勧める
- 本を読んであげる(聞いていなくても)
幼い子供の頭の中は、常に錯乱状態であるという意見もあります。
爆発した際には、一度リセットすることが大切です。
”一緒に”癇癪を起こさない
子供の癇癪に関しては、非常にノイローゼになりやすい内容であり
つい手を挙げてしまったりなど、悪化していくこともあります。
そして、それによる「罪悪感のループ」は非常にありがちな問題です。
「癇癪持ち」は、”繊細”であり”感性が豊か”であるとも言えます。
抑えきれない感情に耐え切れず、癇癪を起すのです。
その際に「ママまでパニック」なっていては、解決することはできません。
実際に親御さんに「癇癪癖」がある場合、子供も癇癪を起しやすい傾向があります。
ある意味で、真似をしているのです。
情緒が育っていく過程において、癇癪が避けられない赤ちゃんもいます。
これは仕方がないことであり、認めてあげなければいけません。
赤ちゃんは毎日生まれ変わります。
あまりにもひどくて心配になってしまう場合には
とは言うものの・・・
”手が付けられない”といったケースや、”先のこと”が心配になるような症状の子供もいます。
この癇癪の症状には、一時的な「成長過程」によるものであるケースと
将来的な「性格」につながってしまうものもあり、注意が必要な場合もあることも事実です。
「症状」と書きましたが、癇癪は「病気」ではありません。
単に癇癪といっても、その原因やメカニズムは年齢や動機によって変わるものです。
その、今起こしている癇癪が
「意識的な癇癪なのか」
ということは、非常に重要な要素になります。
1歳未満の赤ちゃんというのは、常に頭の中が錯乱状態であると言われています。
そもそも、癇癪の”スイッチ”が入りやすい状態です。
特に感受性の強い子は、ほんのちょっと物音がしただけで脳が混乱状態になってしまい
結果として泣き止まない・わめき続けるといったことが癇癪と認識されるケースもあります。
これらの反応は、成長過程の一部であり
意味が無いこともあることだけは、知っておいて欲しいと思います。
しかし、ある程度成長した後の癇癪というのは
- 癖になってしまっている
- 性格の一部として定着してしまっている
という”恐れ”もあります。
こういったことこそ、警戒・心配している方は多いはずです。
3歳にもなれば、ある程度の周りの状況や
ものごとの流れを理解し始めるころですが
この時期の癇癪というのは
基本的に、
- 自分本位な理由
- 注目を集めたい
いずれか、もしくは両方の理由になります。
ずっと「自分が世界の中心」のままは確かに危険
いわゆる「自分の思い通りにならない」という状況を、
”受け入れることができない”ことによって、どうすることもできずに癇癪を起こします。
- 欲しいもものを買ってもらえない
- したいことがうまくできない
というようなものが典型的な例です。
この時に忘れてはいけないことは、自分が我がままを言っている”自覚”はありません。
何でも自分の思い通りになると、本気で思っているのです。
このまま変わらないのは、確かに危険なケースです。
冒頭で挙げた典型的な癇癪ですが、”いつまで続くのか”ということが鍵になります。
自分が癇癪を起こすことによって、注目してもらえる
注目されたくて、癇癪を起こすことも珍しいことではありません。
この時の対応としては
- 過度に反応すること
- 放置すること
どちらも良くないと考えられ、非常に対応が難しいケースでもあります。
毎回毎回向き合ってあげることによって、どんどんエスカレートしてしまう恐れがあり
一方で「放置する」というのは、最もやってはいけない対応になります。
子供の性格を見極めて、「癖」にならないように対応することが必要です。
「わかっててやっている」場合には
「自覚のある癇癪」は、特に注意する必要があります。
赤ちゃんの時とは異なり、「目的」があって癇癪を起しているため
その目的のために癇癪を起すということは良くないことである、と説明する必要があります。
- 癇癪を起こしても何も変わらないこと
- むしろ状況が悪くなること
- みんな癇癪を望んでいないこと
- みんなが悲しくなること
そして、別の解決策を説明してあげましょう。
物心付いてからでないと、意味が無いように思えますが
物心ついてから・大人になってからでは、矯正できないケースもあり
人とのコミュニケーションに、支障をきたす要因にもなりやすいものです。
子供の成長段階に合わせて、「そこで(その段階で)治す」という心がけが必要になります。
感情が育ち性格が形成される過程
人間には様々な感情がありますが、
どういった場合に、「特定の感情」で「特定の表情」になるのか・・・
楽し・嬉しければ「笑い」
嬉しければ「泣く」
腹が立てば「怒る」
こういった感情は、いつから明確になり<表現>することができたか
自分のことを、しっかり覚えている方は少ないと思います。
そのため赤ちゃんの成長と共に、そういった感情を発見し
身に着けていく過程を日々目にすることは、子育ての醍醐味でもあります。
赤ちゃんがニコニコと”可愛らしい表情”をするのは、
「攻撃されないための防御本能」であると考えられており・・・
「楽しい」から「嬉しい」から笑っているというわけではない、という説が根強いです。
これは「新生児微笑」とも呼ばれます。
しかし、「気持ちいいいふれあい」を繰り返すうちに
「快」の感情に伴う、楽しそうな「表情」を覚えていくことになります。
無意識の微笑みから、意図した表現として「微笑む」ことを覚えるのです。
この一連の学習は、およそ生後3ヶ月ほどでできるようになると言われており
この過程で身についた感情・愛着が、「人としての性格」を作っていくことになります。
そしてそれは、「嬉しい・楽しい」から「笑う」過程と同じく
”悲しみ”や”怒り”といった感情による反応を、覚えていくということでもあります。
成長とは、新しい問題伴うものでもあるのです。
発生するものは「コントロール」をしなければならない
負の感情は、生まれた時点で身についているものでもあります。
- お腹がすいた
- オムツを変えてほしい
- 寂しい
といった際に、「泣く」というのは「負の心情」を表すため
生まれながらに、最初から身に着けている感情でもあります。
泣くことは「不快」を表す、典型的な表現でもあり
体調が悪いといったことを伝えるための、もう1つの防御反応でもあるためです。
生来の感情は「本能」でもあり、「理性」でコントロールすることが難しいものです。
何より、これから先生きていれば避けられないものです。
だからこそ、うまく<コントロール>をする力を身に付けることが大切なのです。
もとろん、「何歳でコントロールできるようになる」というような基準は存在せず
残念なことに、人によっては一生涯コントロールが下手な場合もあります。
そういう人、見たことがあるはずです・・・
いずれ「めんどくさい大人」にならないために
「コントロールできない負の感情」が前面に出た状態が、癇癪と呼ばれるものですが
子供自身が「何がなんだか分からない状態」であり、一種のパニックとも言えるのです。
しかし、このパニックを理性で抑えることが大切であり
- 欲しいものを我慢する
- 思い通りにいかないことを受け入れる
といったことこそが、「心の成長」なのです。
大人であっても、仕事や家事が忙しすぎることによって
「切羽詰まった状態」になった際には、「イライラ」することもあるはずです。
そういった場合に、心を落ち着かせ・鎮める方法を人それぞれ持っているはずであり・・・
- 甘いものを食べる
- お笑いのDVDを見る
- ドライブに行く
といったことによって、「解消」することが多いと思います。
しかしながら非常に怒りやすい、いわゆる「短気」な人も世の中にはいます。
そういった人は、幼児期に「感情のコントロール」の方法を
うまく身に着けることができなかった可能性があります。
- 癇癪を起している時に放っておかれた
- 癇癪を起せば何でも買ってもらえた
- ストレス解消の弱い者いじめを咎められなかった
基本的には、「周囲にいた大人」が悪かったと考えられます。
「子は親の鏡」であることを忘れない
幼児期において、
自分のその感情に対して周りの大人がどのように対処したか
によって、その子の人生を通しての”コントロールのうまさ”が変わってくるものです。
そして、親自身が感情のコントロールが”へた”である場合
その子供はコントロール法を学ぶということが、できるわけがありません。
極端な例としては・・・
- 怒るとお皿を割るママ
- お酒を飲んで暴れるパパ
子供は「同じような人間」になる可能性が高いです。
親も人間であり、「抑えられない感情」や「抑えられない場面」もあります。
そういった場合には、”決して子供に見せない”という気遣いが必要になります。
「子は親の鏡」ということを、忘れないようにしましょう。