「先取り学習」の是非については、言うまでもなく”するべき”です。
幼児教育は基本的に”早ければ早い程いい”ものであり、何も心配する必要はありません。
いけるところまでいくべきなのです。
ただし、いざ実践していく際には簡単ではないものであり
また少しだけ注意点もあるため、その点について解説していきます。
以前は「飛び級」等と表現されていたことが、現在では先取り学習と呼ばれるようです。
とは言っても、
日本の公立学校では(私立でも)、「学年」の飛び級は基本的に認められていないため
先取り学習とは、そのほとんどが「家庭内学習」におけるものなります。
実際の年齢・学年よりも、少し上(場合によってはかなり)の内容を学ぶことを指します。
先取り学習に関しては、それほど大げさに考えることではなく
本来であれば、「そんなことは当たり前」にしておくべきものでもあります。
知能的な面に関して言えば、弊害・デメリットなんてありません。
ただし、”正しく”進めることが大切です。
目次
”学校の授業とは別に”進めることを当たり前のことにする
小学生程度の時期においては、基本的には「2つ上の学年」の内容が理解できるべきです。

その結果として、中学校で一気に差が出ます。
”どんな高校に通うか”につながり、それはその後の人生を決める非常に大きな要素です。
まだまだ先のこと、と思われているかもしれませんが
全てはつながっているものであり、本当に”あっ”という間です。
しかしながら、”教師ではない”お母さんにとって
先取り学習をどうやってさせるべきか(もちろん、自発的になることが理想です)
その効果的・効率的な方法が分からなくて、困っている方も多いようです。
まずは、あくまで一例として「先取り学習の方法論」を紹介したいと思います。
最も分かりやすい「小学校入学してから」の例で考えます。。
先取り学習の基本としては、
- 「本来の学年に相応しい内容」の教材
- 「先取りしたい学年の内容」の教材
2つの教材を利用していきます。
まず、”本来の学年”の教材の使い方としては
「復習用」として、実際に学校で習った後に解いてみることを目的として・・・
と同時に、
「先取り用教材」によって、”先取りし過ぎてしまった”場合に感覚を戻すためです。
少し分かりづらい説明になってしまいましたが、
簡単に言うと、<先取りした学習内容の復習>のために利用します。
特に小学校くらいまでは、特に算数の公式・内容は浅く・広く学ばせる傾向があり
一度理解した内容も、先取りし過ぎて<ど忘れ>してしまうことが考えられます。
せっかく先取りしても、テストができなかったらガックリくるはずです・・・
詳しくは後述しますが、「本来の学年の感覚を失わないため」ということも含みます。
これは、幅広い意味で重要なこととなります。
本来の学年用の教材
本来の学年と同じ内容を進めていく際に利用する教材としては、
「大手の通信教育教材」を利用することが、望ましいと考えられます。
というのも、
基本的には、効率的なカリキュラムに沿って進行するものであり
「毎月適切なものが送られてくる」ことは、非常に大きなメリットになります。
特に、当サイトで紹介している「Z会」もしくは「ポピー」であれば
安心して与えることができる内容であると言えます。
”安心して”といった表現は、少し変かもしれませんが
要は「丁度いい適切な進行スピード」を保ちやすいのです。
※「Z会」と「ポピー」に関する解説ページ
⇒本当におすすめの幼児向け通信教育教材究極の2選
先取りのための教材
”先取り用”の教材については、お母さんが大きめの本屋さんに行き
実際に手に取って、内容を確認して選んでみましょう。
というのも、
その子がどの程度先取りできるのか、というのは他人には判断できないものであり
お母さんがチェックしてあげて、相応しいもの・教材を与えてあげる必要があります。
1学年先取りするのか、3学年なのか
また「算数」は5年先でも、「理科」は1年先等
お子様のそれぞれの個性によっても、カスタマイズが必要です。
また通信教育教材を、違う学年で取り寄せたり・・・という
「裏技」といったものも、やろうと思えばできます。
ただし「Z会」と「ポピー」は、考え抜かれた完璧なカリキュラムで構成されており
それを壊して進める、ということはあまりおすすめしません。
先取り学習に関しても、ある程度順序を守る必要があります。
ちなみに、「Z会」では1つ上の学年のカリキュラムを
公式に取り寄せることができるため、ぜひ試してみて欲しいと思います。
「残念な勘違い」はさせてはならない
先取り学習における「懸念事項」として・・・
”先取りしている”ことによる心情の変化に関して、少し注意が必要です。
簡単に言うと、<調子にのる>ということです。
ただでさえ子供は「世間知らず」の状態であり、簡単に調子に乗ってしまいます。
「自分は頭がいいんだ」と過剰に思わせてしまうのは、避けるべきです。
もちろん自信を持つことはいいことですし、また優越感を持つことも必要なことです。
しかし”態度”に出てしまうのは、いくら子供の世界といえど、いいものではありません。
特に、「上の世代の人が解けないものが解ける」ということは何とも気持ちのいいものです。
「勉強?全然してないわー」と言う必要もありませんが、
何よりも、「謙虚」な態度でい続けることが一番大切なことなのです。
「誰も見ていないところで爪を磨く」ことを教えましょう。
そもそも、社会に出れば”カリキュラム”なんてものはありません。
必要なことは、自分で学ぶ必要があるのです。
「詰め込み教育」は悪いことなのか?
教育に関するコンセプトは、時代によって大きく変わってきました。
そもそも、正解がない取り組みに対する”路線”を決めることは非常に難しいことです。
日本においては、結局は大学受験・就職が「人生を左右するイベント」になるため
そこにつながる義務教育の段階で、どのように学ぶのかは重要なものです。
”正解はない”けど”重要”なことは、自分で考えるしかありません。
現代においては、「記憶力」を重視した「詰め込み教育」を経て
「ゆとり教育」と呼ばれる、記憶学習以外のことを大切にする方向へシフトしています。
一方で、今だからこそ「詰め込み教育を取り入れるべきである」という意見もあります。
そして、それは<周りを出し抜く>最も効率的な方法であることは確かです。
”詰め込み”と”ゆとり”は、コンセプトとしては相反しているように思われていますが
「記憶力を重視する」ということと、「思考力を重視する」ということは矛盾しません。
結局は両方大切なものであり、両方必要なものになります。
<ネーミング>には、意味はありません。
詰め込み教育が批判され、衰退してしまった理由としては
”ただ覚える”ということには意味がない、と言う意見からです。
しかし、「大学入試センター試験」を代表として日本の教育において
最も重要なことは、相変わらず、結局は「記憶力」なのです。
システムが変わっていなければ、教育のコンセプトを変えたとしても意味がありません。

詰め込むなら徹底的に!
前提として、
子供のメンタルに配慮したうえで
詰め込み教育には、現状メリットが多いと考えます。
なぜなら、上記したように”結局は記憶力が全て”であり
これは「日本の教育」に限らず、全ての学習・知識の習得にとっても同じことなのです。
「頭がいい人」というのは、基本的には「記憶力がいい人」のこと指します。
だからこそ、記憶力は幼いうちに鍛えるべきであり
記憶力・記憶を鍛えるためには、結局は<反復>という単純な方法しかありません。
これは、永遠に変わらない真理です。
これしかないのです。
そして、それは「幼児教育の全て」とも言えるものです。
”ゆとり”言う言葉には、批判的な・ある種馬鹿にするような響きがあります。
しかし、いずれその過程を経て来た人が社会人として多数派になってきます。
そして、ゆとり教育を受けてきた世代が徐々にお母さん・お父さんになり始め
自分が受けてきた教育を振り返り、自分の子供に対する教育について考え始めます。
ただし、ゆとり教育を受けてきたことをマイナスに捕らえる必要はありません。
「ゆとり教育世代」は、「詰め込み教育世代」に比べ”覚えること”が圧倒的に多いのです。
覚えることは増えているのにも関わらず、評価されないちぐはぐな状況なのです。
だからこそ、一歩リードする(出し抜く)ための鍵が<詰め込み>になります。
考えてみれば、大変な世代です。
詰め込み教育のススメ
偏差値教育は、今後も続いていくことは間違いありません。
なぜかというと、「偏差値教育の勝ち組」の人達がそのシステムを作っているためです。
そして偏差値教育を勝ち抜くために、最も効率的なアプローチこそが
”詰め込み”であり、それは抵抗が少ない幼児期にこそ行うべきです。
上記したように、記憶力がいいに越したことはありません。
今後、必ずメリットがあることです。
そうであるなら、やるべきです。
それも”反抗”や”拒否感”や”先入観”がない時期に、「受け入れてくれる時期」にこそ。
嫌がらないのであれば、気楽に詰め込みましょう。
”とにかく覚えさせること”を目的とした際には、「暗記」や「暗唱」を取り入れ
興味を持った分野を<突き詰める>ことで、楽しく記憶力を鍛えることが理想です。
幼いうちには、「ひらがな」から「漢字」といった基礎的なものから
もう少し大きくなったら、絵本を暗唱して聞かせてもらったり
電車や動物・虫の種類を覚えていったりも、楽しく進められるはずです。
「イメージ」と「記憶力」には、非常に大きな関係があるようであり
「図鑑」や「動物園」や「水族館」は、非常に有意義なことです。
詰め込み教育の際に起きる可能性のあるデメリットとは
詰め込んでいくうえでは、「デメリットが発生する可能性」を頭に入れてください。
これだけは、常に意識してください。
詰め込み教育の最大のリスクは、「勉強を嫌いになる」ことであり
嫌いなことというのは、覚えられない・覚える意識が沸かなくなります。
そう考えると、確かに「諸刃の剣」でもあります。
少しでも抵抗を見せた場合には、即中止しましょう。
ここで”無理矢理”やらせることが、勉強嫌いになる第一歩です。
また「それ(暗唱等)に何の意味があるの?」と聞かれた場合には
「今はまだ何の意味もない」と、正直に教えてあげましょう。
「意味のないことはやらない」というのも、1つの立派な判断です。
ただし、将来「好きなことができる可能性が上がる」ということを話しましょう。
「長期的な努力」といった概念を、習得することにもつながります。
巷でよく言われている、「詰め込み教育の弊害」とは
「勉強嫌いになるリスクが少しだけ高い」ということだけです。
少し注意していれば防げるものでもあります。
しっかりと、周りを出し抜いてください!
英才教育は子供を不幸にするのか?
「幼い頃から、あまり勉強させると性格が曲がる」
「感情が<薄い>人間になってしまう」
こういった意見があることは事実です。
しかしながら、
勉強しないよりも、勉強した方が
幸せなる可能性が高い
ということもまた、紛れもない事実であるはずなのです。
たしかに、幼い時期の抑圧された・厳しい環境が
子供の精神的な成長に関して、マイナスを生むこともあります。
しかし、そういったことと”学習”は関係ありません。
”勉強させること自体”が、子供を不幸にするわけではないということです。
”自分から”学ぶことができる子にしてあげる
「ものさし」で叩きながら勉強させる
問題を解けなかったら「罰」を与える
こういったことで、性格が曲がるのは当たり前のことです。
「勉強することはがつらいこと」という、印象(トラウマ)を与えてしまうことになります。
その結果、益々勉強に抵抗を持ち、更に勉強ができなくなる、という負の連鎖に陥ります。
しかしながら、これほど極端なことをしている家庭は少ないはずです。
それではなぜ、幼児英才教育がマイナスであると言われるのでしょうか?
おそらく、幼い時期には他に身に着けること・大切なことがあるからです。
そして、それもまた事実です。
であるのであれば、<両立>していけばいいだけでのことであり
「お勉強」や「知能学習」といったことは、特に意識する必要はありません。
「歯磨き」や「お茶碗を持つ」といったことを教えるのと同じように、
机に向かい、知りたいことを知る、という習慣を付けてあげればいいのです。
それは「苦痛」ではなく「習慣」であり、”どうってことない”ことなのです。
最初は<読み聞かせ>から始めて、毎日読書の時間を作る。
<お片付け>をした後は、今日何を使って遊んだか「おもちゃの名前」を書いてみる。
もの覚えが早い子には「でんしゃ」は、漢字で「電車」と書く
更に英語で「Train(トレイン)」と、発音だけでも教えてあげる。
生活の一部に、溶け込ませてみることも簡単な手段になります。
勉強を”苦痛”にしなければ、性格が曲がりようがありません。
一般的には、頭がいい方が世間で評価されるものです。
つまり、頭が良くなることで、今後の人生で人に”褒められる”ことが多くなるはずです。
お母さんの中には、勉強が嫌いだった・苦痛だったという人もいるはずです。
それはなぜでしょうか?
勉強はつらいもの・面倒くさいもの
という、感覚をに持ってしまった時期の記憶が体に・脳に染みついているからです。
「ひらがな」を覚えるのがつらかった
という方よりも、
「因数分解」や「過去完了形」を覚えるのが面倒だった
という方が多いはずです。
更に言えば”できない”ことによって、嫌いになってしまった方も多いはずです。
英才教育を実践する際の注意点のまとめ
スタートが早いことによって、周りよりもリードすることは当然です。
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小学校入学時点で「2年生の内容をマスター」
これができたら、3年生になる頃には5年生の内容を理解できることは容易であり
授業が物足りなくなってしまうことも多いはずです。
”簡単過ぎる”と感じるはずです。
そこで「調子に乗って」しまい「油断する」といったことは、”避けさせ”ましょう。
こういったことが「感動できない人間」につながると、考える人もいます。
しかしながら、”できちゃう”ことは仕方がないことです。
そういった場合には、「新たな目標」が必要になります。
更に高い学年のカリキュラムをマスターする。
また、”勉強以外”の目標を持たせることも大切です。
今まで学習に使っていた時間で長距離を走ってみる、どんどんタイムが縮んでいく。
そういった経験も、後々有意義に働くはずです。
そして、何より大切なことは<人と自分を比べない>ことです。
これも繰り返し解説しています。
それは、
周りより勉強ができるからといって
- 調子に乗らない
- 人を見下さない
こういったことを教えることも大切です。
人と比べているということは、<負ける>ことになります。
順調だった人間が、一度の挫折で心が折れてしまう
というお話を聞いたことがあるお母さんも多いと思いますが
そういった人というのは、幼い頃から優秀だった傾向があります。
周りに褒められ、評価されてきたはずです。
育児の家庭において、
「勝った」や「負けた」を気にしない
ということを教えることが、一番大切かもしれません。
勉強とは、”自分の道を歩むため”にするものなのです。